小説 良寛の悟り

 牡丹の花はボタンと落ちぬ、ボタンと落ちるのは椿だ。そう言ってしまって、牡丹の花が落ちるところを見たことがあっただろうかと思い返して見る。目の前に咲いている牡丹の花を愛おしく思いながら、今現実に起きていない牡丹の花が落ちるところ、そんな、ふとした想像にも、良寛は顔を赤らめるのである。今ここに咲いている牡丹が総てではないか?坐らないといかんな!坐布にどかっと坐って、牡丹を意識から外すと、整っていく息とともに牡丹の色が、是空となる。花を見ているとき、花はそこにあるが、ただそこにあるのではなく、花そのものに自分がなっているのである。目から離れ、香りも感じなければ、もう自分は牡丹ではない。良寛なのである。こっちとあっちを、こあっちと名付けよう。このこあっちこそ悟りなのであるが、分かるであろうか?半眼で縁側で坐っている。見えているか?見えていないかの景色、虫や鳥も声、風のガサっとした音。ご飯が炊けるにおい。ああ幸せだなという想い。それらが、みんなこあっちなのである。
 悟りという字は五つの口で感じる心と表現されている。般若心経ではそれを一旦それを否定し、そうされているからこそそうなのであると、難問にぶつける。炊けたと思ったとき、良寛は坐布にいない。釜になっているのである。茶碗にご飯を入れると、胡麻をかけ梅干しと沢庵を取りに行く。頭の中に考えはない。梅干しを取り出すときは箸になり梅干しになっている。
 今口に入ろうとしている食べ物の由縁をよく考える。今これを食べようとしている自分が、それに値する行いをしてきたか反省する。むさぼらない。怒らない。誤解しない。食べ物は身体を枯れ死させない栄養であるからそれ以上を望まない。仏道を完成し、食べた生き物と一体になって仏に昇華することを誓う。頂きます。パリッ。あっ音を立ててしまった。私もまだまだだなぁ。沢庵がどんどん自分になっていく。ご飯が口に入る。ご飯も自分になっていく。なんと素晴らしく苦しいことなんだ。南無観世音菩薩。
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